企業などにおいて売上が発生した場合、その場で代金を授受せず後払いになる時は、売掛金が発生します。この売掛金は所定の期日が到来すれば現金化できるので、一種の資産と見なすことができます。資産価値があるということは、これを売買することも可能だということになります。このような考え方から生まれたのが、ファクタリングと呼ばれる金融サービスです。
ファクタリングは、売掛金を第三者に譲渡することで、その売却にかかる代金をキャッシュで受け取るというものです。売却先はファクタリング会社と呼ばれる専門事業者であり、たとえば債権額が100万円の売掛金があるとすればそれを95万円で買い取り、売掛金の支払期限が到来したら100万円を回収します。この差額に当たる5万円が、事業者の手数料収入となります。手数料の額は事業者ごとに異なり、また売掛先の事業実績などによっても変動します。
取引先から売掛金の入金を待っていれば、現金化は通常であれば数週間あるいは数か月後となります。しかしファクタリングを利用すれば、これをただちに現金に換えることができます。そのため、このサービスは比較的短期間のキャッシュフローを改善したい場合のつなぎ資金などに利用するのに適しています。また、原則として担保や保証人が要らず、赤字経営であっても利用のチャンスがあるので、銀行融資などの審査になかなか通らない企業にも適した資金調達手段であると言えます。